日本語の中で、いちばん美しい言葉が、「ありがとう」です。
それには不思議な言霊があり、幸運を引き寄せてくれます。しかも、「ありがとう」と言う言葉は、お金がなくても、病気で寝ていても、言えます。
もし誰にも感謝できないような厳しい状況に置かれているのなら、今も働いてくれている自分の心臓や手足に感謝することからはじめれば良いのです。
感謝の心を外に表す事は、信仰があるとかないとか、そんなこととは何の関係もないことです。人間としての、最低限の勤めです。
人生の目標は、ただ1つ。
凄まじい逆境に置かれていても、何かの障害があったとしても、生きているうちに幸せになることです。それは、この世に生を授かった人間としても最大の責任でもあります。
しかも、その幸せを引き寄せる上で、「ありがとう」の言霊が、いちばん力を発揮するとなれば、出し惜しみするのは、愚かなことです。
心の中で感謝しているから、口に出さなくても大丈夫というわけではなく、はっきりと大きな声で「ありがとう」と言った時しかその言葉は動き出さないのです。
昔の人は、南無阿弥陀仏とか南無妙法蓮華経と唱えて救われましたが、ついに「ありがとう」と唱えて救われる時代が到来したのです。
町田 宗鳳/風の便り3