ブログ

2025年03月

2025.03.02

風の便り2「制約だらけの人生」

僧侶であり宗教学者でもある町田宗鳳先生の言葉を転載します。

これは日めくりカレンダーになっており、31の言葉にいつも元気づけられています。

<要約>
人生は制約だらけ。しかし、不満もまた味わいの一部。理想を求めるより、あるがままを受け入れたとき、心は自由になる。思い通りにならないからこそ、生きる意味がある。
「制約だらけの人生」
 私たちは、制約と言う名の牢屋の中で暮らしています。

 もっと丈夫な体が欲しかった、もう少し若ければと思っても、病気が消えてなくなるわけでも、年齢とともに押し寄せる肉体の衰えを跳ね返せるわけでもありません。どれだけたくさん薬を飲んでも死ぬ時は死にます。
 
 大企業の幹部にでもなっていたら、今よりもはるかに良い給料をもらっていただろうに、と思っても、今の職場を変われるわけでも、急に昇給があるわけでもありません。
 もう少し甲斐性のある配偶者と結婚していたなら、こんなに苦労しなくてもよかったのにと思っても、相手はますます老け込んで、ぶつぶつと愚痴っぽくなる一方です。きっと相手も自分のことをそう思っています。
 せめて子供たちだけでも、もう少し出来が良かったなら、将来を託せるのにと思っても、子供は相変わらずスネを齧るばかりです。そんな人生の悲哀を感じていない人は幸せです。

 家族のこと、職場のこと、自分の健康のこと、どれ一つとっても自分の思い通りにはいきません。
 
 そんな「百事不如意」の人生を、自我を削り取ることによって、「百事如意」の人生に転換することこそ、この世の醍醐味ではないでしょうか。
 
町田 宗鳳

 ご紹介

町田宗鳳‐まちだ そうほう
1950年、京都市生まれ。
広島大学名誉教授。御殿場高原「ありがとう寺」住職
幼少の折、キリスト教会に通う時期もあったが14歳で家出をし仏門に入る。
以来20年間、京都の臨済宗大徳寺で修行。
34歳のとき寺を離れ、渡米。
ハーバード大学で神学修士号、ペンシルバニア大学で哲学博士号を得る。
プリンストン大学助教授、国立シンガポール大学准教授、東京外国語大学教授、広島大学大学院総合科学研究科教授を経て、現職。
  
NHK「こころの時代」「ラジオ深夜便」「こころをよむ」などに連続出演。
日経新聞・朝日新聞・読売新聞にもエッセイを連載。
日本・米国・ヨーロッパなどで倍音効果を利用した瞑想法「ありがとう禅」を実施すると同時に、週末を利用した「ありがとう断食」をのべ100回以上開催している。
   
『人類は「宗教」に勝てるか』
(NHKブックス)
  
『無意識はすべてを知っている』
(青春出版社)
  
『「ありがとう禅」が世界を変える』
(春秋社)
  
『異界探訪』(山と渓谷社)
  
など、日英で著書50冊余。

ブログ内検索

カレンダー

«3月»
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31      

フィード

  1. ホーム
  2. ブログ
  3. アーカイブ 2025年03月